今回はシリーズ第二回となる「日本の空の戦い(気団戦争)」について解説していきます。
日本の四季はとてもはっきりしていて、春夏秋冬それぞれで気候が大きく変わりますよね。
その季節の変化を生み出しているのが、空で起きている気団同士の勢力争いです。
前回の記事では、日本の春と夏を作り出す気団の動きについて紹介しました。
春から夏にかけては、さまざまな気団が日本付近でぶつかり合うことで季節が移り変わっていきます。
そして今回の記事では、秋と冬の天気を作り出す気団の動きについて解説していきます。
実は、日本の秋や冬の天候も、いくつかの気団のバランスによって決まっています。
天気図の見方を理解する上でもとても重要なので、ぜひ参考にしてみてください。
第一回目はこちらから
秋の天気を作る気団の戦い
秋と聞くと、夏の暑さが落ち着き、少しずつ涼しい風が吹き始める季節というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
木々は紅葉し始め、空気も澄んで過ごしやすい日が増えてきます。
そんな秋の穏やかな天気を作り出している主役は、実は春とよく似ています。
秋の天候に大きく関係しているのは、次の2つです。
- 偏西風
- 揚子江気団
これらの働きによって、日本では秋らしい安定した天候が生まれます。
偏西風と移動性高気圧
秋の空では、春と同じように偏西風の影響が大きくなります。
偏西風とは、上空で西から東へ吹く風のことで、日本の天候に大きな影響を与える存在です。
この偏西風によって、**移動性高気圧(揚子江気団)**が西から東へと移動していきます。
移動性高気圧が日本付近を通過すると、
- 晴れやすい
- 湿度が低い
- 過ごしやすい気候
といった、秋らしい爽やかな天気になります。
このように、秋の穏やかな天候は偏西風によって運ばれてくる高気圧によって作られているのです。
春とは逆になる空の勢力図
ただし、秋の空は春と似ている部分もありますが、実は勢力のバランスが逆転しているという特徴があります。
春から夏にかけては、
- 小笠原気団(太平洋気団)
の勢力が強くなり、日本付近にある梅雨前線を北へ押し上げることで梅雨明けとなり、本格的な夏が始まります。
しかし秋になると、この流れが逆になります。
秋雨前線が発生する理由
秋の代表的な気象現象といえば、秋雨前線です。
秋雨前線は、梅雨前線と似た仕組みで発生しますが、発生する原因は少し異なります。
秋雨前線ができるのは、
- オホーツク海気団
- 小笠原気団
この2つの気団がぶつかることが原因です。
特に、オホーツク海気団が南下することで小笠原気団との境界ができ、前線が発生します。
この前線の影響で、日本では秋の長雨と呼ばれる天気が続くことがあります。
このように秋の天候は、春と似ている部分もありながら、気団の勢力関係が逆転することで独特の気候が生まれるのです。

冬の主役はシベリア気団
秋が終わりに近づくと、空の勢力図はさらに大きく変化します。
冬になると、日本の天候を支配する主役が登場します。
それが
です。
シベリア気団は、ロシアのシベリア地域で発達する非常に冷たい大陸性高気圧です。
この気団が日本付近に張り出してくることで、日本の冬の特徴的な天気が生まれます。
日本海側と太平洋側で天気が違う理由
シベリア気団が強くなると、日本では地域によって大きく天気が変わるようになります。
具体的には次のような特徴があります。
日本海側
- 雪や雨が多い
- 曇りの日が多い
太平洋側
- 晴天が多い
- 空気が乾燥する
これは、シベリア気団から吹き出す冷たい北西風が原因です。
この風が日本海を通過する際に水蒸気を多く含み、日本海側で雪や雨を降らせます。
一方で、山を越えて太平洋側に到達する頃には水分が減るため、乾いた晴天の天気になるのです。
冬の代表的な気圧配置「西高東低」
冬の天気図でよく聞く言葉といえば、
西高東低の気圧配置
ですよね。
この状態は、
- 西側に高気圧(シベリア気団)
- 東側に低気圧
という配置になっている状態です。
シベリア気団が日本付近まで張り出すと、低気圧は日本の東側へと進んでいきます。
すると日本周辺では、比較的狭い範囲で
気圧傾度(気圧の差)
が大きくなります。
この気圧差によって、強い北西風が発生します。
この冷たく乾いた風こそが、日本の冬の寒さを作り出しているのです。

まとめ|日本の四季は気団の戦いでできている
今回は二回にわたって、日本の四季を生み出す**空の戦い(気団戦争)**について解説してきました。
整理すると、日本の季節は次のような気団の影響で決まっています。
- 春:移動性高気圧(揚子江気団)
- 夏:小笠原気団
- 秋:偏西風と移動性高気圧
- 冬:シベリア気団
このように見てみると、日本の天候の仕組みは意外とシンプルだと感じるかもしれません。
季節ごとの「テンプレート」を覚えておくと、毎日の天気図を見るときにも
- どこに高気圧があるのか
- どの気団が強いのか
といったポイントに注目できるようになります。
天気図が少しでも読みやすくなると、天気予報を見る楽しさも増えてくるはずです。
ぜひこの記事をきっかけに、日本の空で起きている「気団の戦い」に注目してみてください。
【中古】 新・天気予報の手引 /安斎政雄(著者) 【中古】afb 価格:1,265円 |
イラスト図解 よくわかる気象学【専門知識編】 [ 中島俊夫 ] 価格:3,190円 |


コメント