みなさんこんにちは、コロナ感染者数増えてきて心配ですが自分でできる手洗い・うがいを励行しましょうね!!
コロ助の健康管理法はこちらに書いてあります~。
今日の話題はかなり重いですが、先日のCRMスキルを重要視するきっかけとなった航空事故についてお伝えしたいと思います。
パイロットは必ず訓練中にこの話について議論を行ってCRMについて学んでいくのです。
場所・状況
テネリフェ島(スペインーカナリア諸島の一部)のノルテ空港
かなりローカルな空港で普段は空いている空港
時刻は夕方17時頃で天気は濃霧が発生し、視程300mほど。
近くの大きなリゾート地空港であるグラン・カナリア空港にテロ予告が発表された。
飛行機・パイロット
パンアメリカン航空(通称 パンナム) グラン・カナリア空港行 ボーイング747型機 パイロット2名・機関士1名
KLMオランダ航空(通称 KLM) グラン・カナリア空港 ボーイング747型機 パイロット2名・機関士1名
その他
経緯
パンナム機とKLM機はテロ予告のため、目的地をノルテ空港に変更し着陸した。(ダイバート)
他にも多くの便がダイバートしており、駐機場もすべて使用中で2機とも誘導路で待機していた。
2機は滑走路手前にKLM機の後ろにパンナム機の順に駐機しており、KLM機はその後のフライトでオランダに帰ることを考え、先に燃料補給をノルテ空港で開始した。
その5分後にテロ予告が偽情報ということが判明し、グラン・カナリア空港が再開した。
パンナム機はアメリカからの長時間フライトでパイロット・乗客ともに疲労が大きいと考え、早く出発しようとしたが前方にKLM機がいて両機とも大型機だったため通ることができずに待たされていた。
約30分後に給油が終わり、KLM機からタクシーを開始し、その後ろにパンナム機が続いた。この時、他にいた飛行機は小型機だったためすべて離陸済みであった。
使用滑走路は駐機時の逆側のRWY30で、KLM機は滑走路をタクシーし、滑走路端で180度旋回するよう指示を受けた。
パンナム機は同じく滑走路をタクシーし、途中の誘導路から離脱して離陸待機場所まで行くよう指示を受けた。
パンナム機は最初3番目の誘導路より滑走路離脱の指示を受けたが、大型機での2回も鋭角旋回が必要ということもあり、4番目誘導路からの離脱と思い込んでいた。通常管制官は飛行機が危険性や無理を伴う指示は出さないため。
この時は管制官の知識が乏しかったとされている。
先に離陸場所へ到着し、離陸準備が完了したKLM機は管制塔へ離陸許可を得ていないにも拘わらず、機長が離陸を開始しようとしたため、副操縦士が注意したところ、機長は「わかってる!はやく確認しろ」と強めの口調で命令した。
管制官はKLM機からの確認に対し、離陸許可ではなく飛行計画の承認を行ったがKLM機はこの承認を離陸許可と勘違いし、離陸する旨を伝えた。
それに対し管制官は「OK、、、(約2秒間),離陸を待機せよ」とKLM機に発した。
このやり取りを聞き不安に思ったパンナム機は「まだ滑走路上にいる」と上記会話の2秒の間に通報した。
そのためこのパンナム機の通報はKLM機には聞こえておらず、さらにOKの後に続く指示も混線により聞こえていなかった。
その後管制官はパンナム機に対し「滑走路離脱後に報告しろ」と要求した。
これはKLM機にも聞こえていたが機長は離陸操作を開始したため、機関士が「まだ(パンナム機が)いるのでは?」と警告したが
機長は「大丈夫だ」と離陸を継続した。
そして4番目誘導路付近で滑走路を離脱しようとしていたパンナム機と衝突したのです。
パンナム機のファーストクラス付近にKLM機が衝突し、KLM機は一瞬は離陸したもののエンジンが脱落し墜落しました。
この事故で両機の乗客乗員644人のうち583人が亡くなりました。
仕組まれたかのように天気・勘違い・疲労・知識不足などの要因が連鎖して事故が起こっていますよね。
あなたはこの話を聞いて、どの人が悪いと思いますか??
天気が良ければ滑走路の状況が把握できてこの事故は起こっていません。
管制官が正しく指示を出し、「OK」などの曖昧な表現を用いなければこの事故は防げています。
本当に誰か一人でも間違いに気づき、情報を伝達できていたら、、、
この事故からコックピットの権威勾配や管制官とパイロットによる相互確認の重要性など新たに多くのルールが設けられました。
みなさんもこの事故から学べることがきっとあると思うので今後の生活に役立ててくださいね。
事故が起きるメカニズムについて
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