みなさんこんにちは、いよいよオリンピックの開催月になってしまいましたね。
先行きは不安ですが、私たちはしっかり自分の身を守りましょう!!
さて今回は重量制限についての続きを解説していきたいと思います。
前回のパート1はこちらから
今回は上昇性能による重量制限から見ていきましょう。
上昇性能による重量制限(Climb Limit)
航空機の離陸飛行経路は離陸後35ftから1500ftまでに4つのセグメントに分けられています。
1st segmentは「35ftからランディングギア格納まで」(positive climbであること)
2nd segmentは「ランディングギア格納から400ft以上(加速のため)まで」(双発機は上昇勾配2.4%)
3rd segmentは「400ft以上からフラップ完全格納まで」(双発機は上昇勾配1.2%)
4th segmentは「フラップ完全格納から1500ftまで」(双発機は上昇勾配1.2%)
以上が航空機の離陸飛行経路として定められている条件です。
大事なポイントは2nd segmentで求められる上昇勾配が最も厳しいこととそれが2.4%であることです。
このClimb Limitは前回解説したField Limit同様に離陸性能を計算する際に求めることで確認しており、基本的にこの制限で引っかかることはまずありません。
障害物による重量制限(Obstacle Limit)
離陸飛行経路は実際に航空機が飛行するであろうパスを「Gross Flight Path」として設定しています。
このGross Flight Pathは、具体的にどのように設定されているかというと、
Critical Engineが不作動の状態で滑走路上35ftからの実際の飛行経路となっています。
そのパスから双発機であれば0.8%引いたパスが「実用飛行経路(Net Flight Path)」と呼ばれます。
そしてこの飛行経路に障害物がある場合に、Net Flight Pathが障害物の先端から35ft以上の間隔が無ければなりません。
そしてこの重量制限をObsacle Limitと言います。
飛行経路による重量制限(Enroute Limit)
このEnroute Limitとは航空機が飛行経路上で片発動機が不作動となった場合を想定しての重量制限です。
その重量を定める基準が
1.One Engine Ceiling
片発不作動の状態で、飛行経路上の最も高い障害物先端の1000ft上空を上昇可能なGross Flight Pathを求め、そのPathから1.1%を減じたNet Flight Pathも1000ftの間隔をクリアしていること。
2.Drift Down
巡航中に片発不作動となった場合に、巡航高度を維持するために最も揚抗比が大きくなる速度にする。
その後はその速度を維持するために操縦し、結果として飛行機は徐々に高度を下げていきます。
この状態で飛行するパスをGross Flight Pathとして、それから1と同じく1.1%を減じたNet Flight Pathが経路上の最も高い障害物の2000ftの間隔をクリアしていること。
の2種類で、このどちらかを満たすことができる重量制限をObstacle Limitと言います。
日本を飛行する場合、最も高い障害物は富士山(12,388ft)ですので、旅客機の性能であれば通常どちらもクリアしています。
まとめ
今回解説した3種類は重量制限と言われると、あまりピンとこないかもしれませんが、航空機が飛行中の性能として求められた条件を満たすことのできる離陸重量。
このように考えてみると理解しやすいかもしれませんね。
このテーマの記事は毎回難しくなってしまいますので、頭の中でしっかりイメージができること、今どこを何のために求めているのかを振り返りながら、勉強してみてください。
あと2回くらいで終わるかな~、、、
頑張りましょう!!
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