こんにちは!今回は少し専門的なテーマとして「RNAV(広域航法)」について、パイロット目線でわかりやすく解説していきます。
訓練生の頃、「RNAVって何?」「LNAVやVNAVと何が違うの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
実際、これらは似ているようで全く異なる概念です。この記事ではその違いも含めて整理していきます。
RNAVとは?基本の意味
RNAVとは、
RNAV(Area Navigation)=広域航法
の略で、簡単に言うと
地上の無線施設に依存せず、任意の経路を飛行できる航法
のことです。
従来の航法では、VORなどの地上局を結んで飛行していましたが、RNAVではGPSなどを活用してより自由で効率的なルート設定が可能になります。
LNAV・VNAVとの違い
RNAVと混同されやすいのが「LNAV」「VNAV」です。
これらはRNAVの種類ではなく、全く別の概念です。
■ LNAV(Lateral Navigation)
- 水平方向の航法
- 機体が左右どの経路を飛ぶかを制御
■ VNAV(Vertical Navigation)
- 垂直方向の航法
- 上昇・降下の経路や高度を管理
つまり、
👉 RNAV=航法の考え方
👉 LNAV/VNAV=飛行経路の制御機能
という違いがあります。
RNAVの仕組み|GPSを活用した飛行
RNAVでは主にGPS(GNSS)を利用して自機位置を把握します。
イメージとしては、
👉 飛行機版のカーナビ
のようなものです。
現在では、
- 出発方式(SID)
- 到着方式(STAR)
- 進入方式(アプローチ)
など、さまざまなフェーズでRNAVが活用されています。
RNAVは2種類に分類される
RNAVは大きく2つのタイプに分けられます。
① 精度要件のないRNAV
代表例:RNAV(GNSS)アプローチ
これは、精度の厳密な要件がない航法で、
- 異常があれば即ゴーアラウンド
- システム監視が限定的
といった特徴があります。
② PBN(Performance Based Navigation)
👉 性能準拠型航法
こちらは現在主流の考え方で、
- 一定の精度を維持できること
- システムによる監視や警報があること
が前提となっています。
「RNAV1」などの表記はこのPBNに含まれます。
RNAVで重要な4つの要素
RNAV運用では、以下の4つの概念が非常に重要です。
① 完全性(Integrity)
👉 情報が信頼できるかどうか
② 精度(Accuracy)
👉 実際の位置と表示位置のズレの小ささ
③ 利用可能性(Availability)
👉 システムが使用できる時間の割合
④ 継続性(Continuity)
👉 航法機能が途中で途切れないこと
これらが満たされて初めて、安全にRNAV航行が可能になります。
なぜGPSだけに頼らないのか?
「GPSがあるならそれだけでいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際には、
👉 GPSだけに完全依存することは避けられています。
その理由は、
- GPSは外国(アメリカ)が管理している
- 障害や意図的な制限の可能性がある
ためです。
そのため航空機では、
- VOR
- DME
- IRU(慣性航法装置)
など、複数のシステムを組み合わせて運用しています。
まとめ|RNAVは現代航空の基盤技術
RNAVは現代の航空運航に欠かせない重要な技術です。
- 自由で効率的なルート設定が可能
- GPSなどを活用した高精度な航法
- 安全確保のため複数システムを併用
といった特徴があります。
最後に|理解すると航空がもっと面白くなる
RNAVは少し難しい分野ですが、理解すると飛行機の運航がより深く見えてきます。
次に飛行機に乗る際は、
「このルートもRNAVで決められているのかな?」
と考えてみると、より楽しめるかもしれません。
今後はPBNの詳細など、さらに踏み込んだ内容も解説していきますのでお楽しみに!
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