止まっている飛行機がうるさい理由

航空

こんにちは、GW真っ最中でかなり空港も混雑していて活気を感じて嬉しくなっているコロ助です。

新幹線もかなり混んでいるそうなので、お客さんとしてはかなり移動が大変ですね、、、

さて今回は久しぶりに航空関係について解説していきたいと思います。

止まっている飛行機がうるさいのはなぜ

駐機場に止まっている飛行機に近づいてみたことはありますでしょうか。

展望デッキから見ても大きい音が聞こえると思いますが、エンジンが止まっているにも関わらず何でこんなにうるさいのか。

今回はその理由となる飛行機に関するシステムについて解説していこうと思います。

大きい音の理由はもう1つの小さなエンジン

答えから言うと、大きな音の正体は飛行機に付いているもう1つの小さなエンジン、「APU(Auxiliary Power Unit)」です。

APUは日本語で「補助動力装置」と呼ばれ、動力はエンジンと同じく燃料になります。

APUがあるのは飛行機のお尻と言われる、尾翼あたりです。

尾翼付近のAPU Exhaust(wikipediaより)

本体の大きさとしては機体よって差異はありますがこのくらいです。

APU本体(wikipediaより)

次にAPUの役割を解説していきます。

APUの主な役割3つ

APUには主に3つの役割があります。

1.エンジン停止中の電源供給・機内温度調整

飛行機は基本的に飛行中はエンジンからの電気と熱源供給によって、機内の温度やサービス等を行っています。
しかし駐機場でエンジンを動かしておくのは危険ですし、環境にもよくありません。
そこで活躍するのがAPUです。大きさは小さいですが、旅客機にしっかりと十分な電源となっており、APUを動かすために作った高温の空気を使い機内の温度調整も可能です。

2.エンジンスタートの際のアシスト

エンジンを始動する際には外気と、エンジンを回し始めるときに必要な高温の空気と電源が必要になります。
その役割を果たすのがAPUです。

3.緊急時の動力供給

飛行中にエンジンが停止した場合、基本的にはすぐにAPUを回すことで、飛行機に電気とブリード(高温の空気)が不足しないようにします。
特に太平洋上などの陸地から離れて飛行する場合にはETOPSという基準が設けられており、このAPUの規格が重視されています。

APUの代わりに使われる物

少し解説したようにAPUは燃料を使い動かすので、排出ガスがあり環境に悪く、音も大きいので騒音対策として使用を制限している空港(羽田・関西・成田・福岡等)も少なくありません。

そのときに代用される代表的なものを紹介していきます。

1.GPU(Ground Power Unit)

駐機場の地下に埋め込まれているコンセントのような電源になります。

2.ASU(Air Start Unit)

GPUと似ていて、地上で用意される気温調整とエンジンスタートをアシストするためのものです。

3.電源車

駐機場によってはGPUやASUがないところがあり、その際には電源車などの車に電源や空気の供給源を搭載してものです。

詳しい記事はこちらから

止まっている飛行機がうるさい理由のまとめ

いかがでしたでしょうか。

APUまで知っている人はかなり少ないと思いますので、飛行機に乗るときに音を意識してみるとこれがAPUの音かと実感できるはずです。

実際近くで聞くとかなりうるさいので、パイロットが外部点検に行く際にはイヤーマフを着けていることも少なくありません。

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