飛行機は上空でぶつからないの?TCASの仕組みをわかりやすく解説

航空

みなさんこんにちは!
今回は「飛行機って上空でぶつからないの?」という疑問に答えるために、航空機の衝突防止システムであるTCASについて解説していきます。

ニュースなどで航空機事故を見ると不安になるかもしれませんが、実は現在の航空機には衝突を防ぐための高度なシステムが搭載されています。

なぜTCASが必要なのか?

エアラインの飛行機は、基本的に**計器飛行方式(IFR)**で運航されています。
つまり、パイロットは目視ではなく、管制官の指示に従って飛行しています。

ここで想像してみてください。

  • 前方から同じ高度で飛行機が接近してくる
  • お互いに管制指示通りに飛んでいる
  • 天候が悪くて視界が悪い

この状況では、パイロット同士が目視で回避するのは困難ですよね。

さらに、両方の飛行機が同じ方向に回避してしまえば、衝突のリスクは逆に高まってしまいます。

こうした問題を解決するのがTCASです。

TCASの仕組み

TCASは、航空機に搭載されている**トランスポンダー(1030MHz / 1090MHz)**を利用して、周囲の航空機の位置や高度を把握します。

監視範囲はおおよそ以下の通りです。

  • 前方:約100NM(約185km)
  • 横方向:約60NM

この広い範囲で航空機を監視し、衝突の可能性がある場合に警告を発します。

TCASの警告は2種類

① TA(Traffic Advisory)

音声:「Traffic Traffic」

パイロットに注意喚起を行う段階

周囲に航空機が接近していることを通知

方位や高度差を表示

② RA(Resolution Advisory)

音声:「Climb」「Descend」など

  • 実際に回避操作を指示
  • 相手機には逆の指示(例:こちら上昇→相手は降下)
  • 衝突を確実に回避できるよう制御

👉 このRAが出た場合、管制官の指示より優先して従う必要があります。

コックピットからの監視画像例

RA作動時の対応と報告

RAが作動した場合、パイロットは即座に回避操作を実施します。

その際、管制官には簡潔に

「TCAS RA」

と伝えます。

回避後は、

「Clear of conflict」

と報告し、通常の飛行に戻ります。

このフレーズはパイロットが考えたものではなく管制業務処理規定により定められています。

このRAが作動してしまった場合は航空局への報告や機長報告が必要になるので重大インシデント等に認定される可能性があります。
そのためパイロットは作動させないためにも周囲をよく監視して、管制官にその指示は正しいのかなどの確認を行います。

TCASの種類(グレード)

■ TCASⅠ

  • 小型機向け
  • 警告(TA)のみ

■ TCASⅡ

  • 旅客機など大型機向け
  • 回避指示(RA)あり

■ TCASⅢ(研究段階)

旋回を含む高度な回避が可能

TCASの装備は義務?

日本では客席数が19 または最大離陸重量が5,700kgを超え、かつ、タービンエンジンを装備した飛行機にはTCASⅡの装備が必要とされています。(航空法60条・施行規則147条)

  • 客席数19以上
  • または最大離陸重量5,700kg以上
  • タービンエンジン機

つまり、一般的な旅客機には必ず搭載されていると考えてOKです。

この規定は国際民間航空機関であるICAOが定めた規定に準拠しています。(Annex10 vol.4)

まとめ:飛行機が安全な理由

飛行機が上空で衝突しない理由は、以下のような多重の安全対策があるからです。

  • 管制官による監視
  • パイロットの目視確認
  • そしてTCASによる自動回避

特にTCASは、万が一の状況でも確実に衝突を防ぐ「最後の砦」と言える存在です。


次回予告

実は、TCASよりも優先される装置も存在します。
それが地面との衝突を防ぐシステムです。

👉 次回はその装置について詳しく解説していきます!

RNAVとRNPについて

オートパイロットについて

コメント

タイトルとURLをコピーしました