GPSの仕組みとRAIM機能・FDEを徹底解説|RNAV航行を理解するための基礎知識

航空

こんにちは!冬季運航で日々コンディション管理に苦労しているコロ助です。

今回はRNAV航行の理解をさらに深めるために欠かせない「GPSの仕組み」と「RAIM機能」、そして「FDE」について、パイロット目線でわかりやすく解説していきます。

RNAVの基本がまだの方は、先に基礎編・応用編の記事をご覧いただくと理解がスムーズです。

第一回と第二回はこちらから

RNAV航行について⓵

RNAV航行について②

GPSの仕組みとは?航空機はどうやって位置を特定しているのか

まずはGPSの基本的な仕組みから見ていきましょう。

航空機は自動車と違い「三次元」で位置を把握する必要があります。そのため、より高い精度が求められます。

GPSでは、地球上空にある複数の人工衛星からの信号を受信し、自機の位置を割り出しています。

  • 3つの衛星 → 三次元の位置特定が可能
  • 4つ目の衛星 → 時間補正を行い精度を向上

つまり、最低でも4つの人工衛星が必要となります。

ここで補足ですが、「GPS」は実はアメリカのシステムの名称であり、正式には

GNSS(Global Navigation Satellite System)

と呼ばれるのが正確です。

代表的なGNSSには以下があります。

  • GPS(アメリカ)
  • GLONASS(ロシア)

現在の航空機はこれら複数の衛星システムを利用して、より高精度な航法を実現しています。

RAIM機能とは?GPSの「信頼性」をチェックする仕組み

次に、多くの方が疑問に感じる「RAIM機能」について解説します。

RAIMとは

Receiver Autonomous Integrity Monitoring

の略で、日本語では「受信機自律整合性監視機能」といいます。

簡単に言うと、

👉 GPSの情報が正しいかどうかをチェックする機能

です。


なぜRAIMには5つの衛星が必要なのか?

先ほど「位置測定には4つの衛星で十分」と説明しましたが、RAIMでは最低5つの衛星が必要になります。

理由はとてもシンプルです。

👉 1つの衛星を“監視役”として使うため

4つの衛星で位置を計算しつつ、残りの1つで

  • 他の衛星のデータに誤りがないか
  • 不自然なズレがないか

をチェックしています。

もし1つでも異常なデータがあれば、

👉「GPSの精度が低下している」という警告が出ます

これにより、パイロットは誤った位置情報に基づく危険な判断を避けることができます。


RAIMは機体側の機能(ABAS)

ここで重要なポイントがあります。

RAIMは地上の設備ではなく、

👉 航空機側に搭載されている機能

です。

この仕組みは

ABAS(Aircraft Based Augmentation System)

と呼ばれ、機体自身がナビゲーションの信頼性を管理しています。

FDEには6つの衛星が必要

FDEを使用するには、さらに多くの情報が必要となるため、

👉 最低6つの衛星

が必要になります。

これにより、

  • 異常な衛星を特定
  • そのデータを排除
  • 残りの正しい情報で航法を継続

という安全性の高い運航が可能になります。

まとめ|GPSとRAIMは安全運航を支える重要技術

今回の内容をまとめると以下の通りです。

  • GPSは複数の人工衛星で航空機の位置を特定する仕組み
  • 正確な測位には最低4つの衛星が必要
  • RAIMはGPSの信頼性をチェックする機能(5衛星)
  • FDEは異常衛星を特定・除外する高度な機能(6衛星)
  • これらはすべて安全運航を支える重要な技術

一見難しそうに感じるかもしれませんが、「間違い探し」と「除外」というイメージで考えると理解しやすいと思います。

RNAV航行について①(基礎編)
RNAV航行について②(RNPとの違いなど)

コメント

  1. 波乗男 より:

    こんにちは。ブログ拝見しました。色々分かりやすく書いていただきありがとうございます。
    質問ばんですが、GPSのRAIM機能は受信した衛星のどれが不調なのかを見つける機能という認識でよろしいでしょうか?
    次にRAIM予測機能ですが、これはどの衛星が不調になるのかを予測する機能と考えています。ただNOTAMでGPS RAIM OUTAGESが発出されるためRAIM予測機能がGPSになぜあるのでしょうか?そもそも考え方が違いますか?ご教授よろしくお願いします。

    • 238 より:

      波乗男さん、コメントいただきありがとうございます。

      ・RAIM機能では、誤情報を発出している衛星の判別はできません。いずれかの衛生の情報が間違っていて、現在の位置情報の信頼性に欠けるということを判断で 
       きます。ちなみに誤情報を発出している衛生を判別する機能はFDE(Fault Detection and Exclusion)機能になります。

      ・RAIM予測機能とは、衛星の公転やメンテナンス等により、受信する衛生数が5つ未満になる時間帯を予測している機能のことですので、結果としてはほぼ同様 
       だと思います。パイロットとしてはどの衛星が不調かは運航に関係がないので上記のように理解しております。
       詳しく調べれば不調となる衛生は予想できると思われます。

      ・NOTAMでの予測はRAIM JAPAN(?)というサイトでの予測結果を出しているらしいのでGPS機器での予測は管轄国のアメリカ予測のものなのかも知れません。
       こちらは個人的な見解になりますので、誤っていたら教えてただけると嬉しいです。

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