パイロットなら知っておきたい単位系

航空

こんにちは、スタンバイが稼働して急遽働いてきたコロ助です。

スタンバイとは、もし欠勤者が出た場合の控えとして待っているという勤務形態なのですが、実はいつどこのフライトが入るかわからないという側面があり、実際に稼働すると準備が大変なんです。

さて今回はパイロットが仕事中によく使う単位系についてまとめていきたいと思います。

コロ助なりの覚え方も書いておきますので参考にしてみてくださいね。

単位系とは

まず単位系とは何かということを説明しておきます。

理系の方であれば馴染みのある言葉だとは思いますが、単位系とは重さであればグラム[g]、長さであればメートル[m]といったように基本単位を用いて表すことで量を定めることができる国際的な決まりです。
実際は難しい言葉で定義されていますが、ここでは簡易的に説明しておりますので詳しく見たい方はこちらから

そして通常は国際単位系(SI:International system of units)が定められており、論文などではSIで統一されており、日本でも私生活などで馴染みがあるのはSIになっていると思います。

SIのロゴ

しかし航空業界では従来からアメリカ製の飛行機が市場を席巻していたこともあり、一部の単位ではSIではないものが使われているのです。

機内アナウンスでも高度にはフィート[ft]、速度にはノット[kt]という言葉が使われているのを聞いたことがあると思います。

重さ

SI系はグラム[g]ですが、航空業界では以下の単位が使われています。

・ポンドまたはパウンド[lbs]

1[lbs]≒0.453[kg]

主に飛行機や燃料の重さ・エンジンの推力などに用いられています。
コロ助は頭の中で換算するときにステーキハウスのメニュー「1ポンドステーキ」を思い浮かべて、それが約450gだなと考えています。
0.45倍するのは簡単ではないので、kgに換算するときは約半分と覚えておけば良いと思います。

長さ

SI系ではメートル[m]が使われますが、航空業界では以下の単位が使われています。

・スタチュートマイル[sm]

1[sm]≒1600[m]=1.6[km]

一部の空港の天気を表記する際に使われることがありますが、国内線であればそこまで使うことは多くありません。

・ノーティカルマイル[nm]

1[nm]≒1850[m]=1.85[km]

目的地までの距離などを表す際に使われる表記で、日本では海里と呼ばれています。
[nm]の起源は1分という北極点から南極点までの距離を10,800で割った数になります。
この10,800という数字は、地球1周を360°北極点から南極点までの地球半周で180°、そこから60で割ったものを1分と表しています。

つまり1[nm]≒地球の円周[km]÷2÷180[°]÷60[分]≒1.85[km]

となるわけです。

この2つは正直かなり紛らわしい数字にも関わらず、よい覚え方も思いつかないままずっと使っていたら覚えていました(笑)

[nm]は他の単位にも関わってきます。

・インチ[in]

1[in]≒2.54[cm]=25.4[mm]

インチは飛行機の長さなどを表す際に用いられています。
ダブルプライム記号といって略して記す際は[“]とも表記されます。

高度

長さと同じくSI系ではメートル[m]ですが、航空業界では以下の単位が使われています。

・フィート[ft]

1[ft]≒0.3[m]

一部の国を除いて、飛行高度や飛行機の長さを表す際には国際フィートを用います。

このフィート(feet)とは足を表すフット(foot)から由来していますので、外人サイズの足を思い浮かべて30[cm]くらいと覚えておきましょう。

速度

SI系では時速[km/h]ですが、航空業界では以下の単位が使われています。

・ノット[kt]

1[kt]≒1.85[km/h]

ノットは1時間に1海里進むという単位ですので、単純に1時間で1.85[km]進むという換算になりますので約2倍または2倍して1割引くと覚えておきましょう。

・マッハ[mach]=音速

音速とは音が一定時間に進む距離ですが、外気温によって速度は変わります。
上空ではIASとTASの乖離が大きくなるため、大体の飛行機はMach0.70~0.88を維持するように飛行しており、「マックポイントエイトエイト(セブンセブン)」と言います。

温度

SIではケルビン[K]ですが、アメリカなど諸外国では以下の単位が使われています。

・ファーレンハイト温度[°F]

1[°F]=5/9K

ケルビンというのは正直日常生活ではほぼ使わない単位ですので気にしなくて良いのですが、海外のホテルに泊まると温度の単位が[°F]困ったという方は少なくないと思います。

問題はここからどうやって日本人に馴染みのあるセルシウス温度[°C]に換算するかです。

コロ助は大体の温度を知るために以下の式で覚えています。

°C=(°F-32)÷2

この式を覚えていれば、どちらへの換算も可能です。
もう一つ知識として、大体の場合[°C]よりも[°F]の方が大きいと思っておきましょう。
例えば、20[°C]≒74[°F]というようになります。

時間

時間に関して、単位は何時何分何秒と同様なのですが、基準となる時間が違います。

・協定世界時[UTC]

[JST]=[UTC]+9

JSTとは日本標準時のことで、航空業界では各国の時差に合わせてフライトされると空港も国も困るので、UTCというイギリスの時間に合わせています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本ではほとんどが国際単位系で統一されていますので、訓練に入る際に新しい単位がたくさんあると戸惑ってしまいますよね。

もちろん訓練前に知っているのがベストではありますが、知らなければ調べてしっかり覚えれば全く問題なしです。

実際コロ助も訓練中に知らなくて怒られた思い出があります(笑)

覚えるのは大変ですが、毎日毎日使っていれば自然と覚えてしまうのが人間というものです。
今日しっかり覚えて毎日何かと換算しながらゆっくり身につけていきましょう!!

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