みなさんこんにちは、ジメジメも本格化してきましたね、、
そろそろコロ助も冷房使います。
さて今回は飛行機の重量限界について勉強していきたいと思います!
以前の飛行機の重さについての記事はこちらから
今回はもう少し踏み込んだ飛行機の知識についてまとめてみましたので、訓練生の方や飛行機好きの方はぜひ読んでみてくださいね。
飛行機には安全に飛行するためにいくつか重さの制限があり、パイロットはフライト前に必ず航空法で定められる機長の出発前の確認として、飛行機の重量が制限範囲を超えていないかを確認しなければなりません。
リミット(限界)の種類は大きく8つに分類される
飛行機が離陸する際に確認が必要な重量として定められるのが、
最大許容離陸重量(Max Allowable Takeoff Weight)です。
この重量を決めるときには以下の8種類のうち最も小さい重量となります。
(1)構造限界による重量制限(Structural Limit)
(2)滑走路長による重量制限(Field Limit)
(3)上昇性能による重量制限(Climb Limit)
(4)障害物による重量制限(Obstacle Limit)
(5)飛行経路による重量制限(Enroute Limit)
(6)最大許容着陸重量による重量制限(Landing Limit)
(7)最大無燃料重量による重量制限(Zero Fuel Limit)
(8)タイヤ・ブレーキによる重量制限(Brake Energy Limit)
なにやら難しそうな話になりそうですが、心配しないでくださいコロ助が要点を簡単に解説していきます!
全てまとめると長くなるので、今回は(1)と(2)を解説しますね。
予め忠告として、これから多くの重量が登場しますが、それぞれの重量の意味とその重量限界が存在する理由を知ってください。
そしてその重さが最終的には最大許容離陸離陸重量を決めるためにあるということを忘れないでくださいね。
自分で大きく枠組みを作りながら勉強するとわかりやすいと思います。
コロ助は昔、それぞれの重量限界の意味を覚えていましたが、その理由とその重さを知って結局何が知りたいのかを考えておらず、復習してやっと気づくことができました(笑)
構造限界による重量制限(Structural Limit)
構造限界とは何のことかというと、文字通り、飛行機の構造で耐えうることのできる最大重量ということです。
具体的に言うと、飛行規程に記載された構造限界重量のことで4つあります。
1.最大タクシー重量(Maximum Taxi Weight)
航空機が地上走行を行う場合に許容される最大重量となっております。
このとき、離陸滑走時の重量ではないので注意。
2.最大離陸重量(Maximum Takeoff Weight)
航空機が離陸滑走を行う場合に許容される最大重量となっており、耐空審査審査要領で360fpmの降下率で着陸した際にも構造に障害を与えない設計と定められている。
3.最大着陸重量(Maximum Landing Weight)
航空機が着陸する場合に許容される最大重量で、耐空審査審査要領で600fpmの降下率で着陸した際にも構造に障害を与えない設計と定められている。
4.最大無(零)燃料重量(Maximum Zero Fuel Weight)
航空機に使用可能燃料を搭載する前に許容される最大重量
以上がStructural Limitで定められる4項目です。
滑走路長による重量制限(Field Limit)
当たり前なことかと思われるかもしれませんが、飛行機が離陸する場合には、航空機が離陸するために必要な必要離陸滑走路長が離陸しようとする滑走路の利用可能滑走路長内に収まらなければなりません。
Field Limitはそれを確認するために存在します。
1.臨界発動機不作動加速停止距離(Accelerate stop Distance with Critical Engine Fail)
名称からして難しさが伝わると思いますが、1つずつかみ砕いていきましょう。
まず、臨界発動機とは何か。
定義では多発機のエンジンのうち、不作動となったとき飛行性に最も不利な影響を与えるエンジンのこととなっています。
それではコロ助が普段操縦する旅客機(ターボファンエンジン)ではどちらかという話ですが、答えは「該当なしまたは両方」です。
この臨界発動機という概念は主にプロペラ機に関するためのものです。
次に加速停止距離について説明していきます。
定義では離陸開始地点から、離陸決定速度(V1)直前での離陸中止により停止するまでの距離。
以上のことから、コロ助の操縦する航空機の場合、臨界発動機不作動加速停止距離とは
離陸開始地点から、離陸決定速度(V1)直前にどちらかの発動機が不作動で離陸中止により停止するまでの距離
を求めることになるわけです。
2.臨界発動機不作動離陸距離(Takeoff Distance with Critical Engine Fail)
離陸距離の説明はこちらの記事で詳しく書いていますので読んでない方は見てみてください。
ということで臨界発動機不作動離陸距離とは
離陸開始地点から、離陸決定速度(V1)直後にどちらかの発動機が不作動のまま離陸継続するのに必要な距離です。
3.全発動機作動加速停止距離(Accelerate stop Distance with All Engines)
全発動機が作動のまま、離陸決定速度(V1)直前で離陸中止により停止するまでの距離のこと
4.全発動機作動離陸距離(Takeoff Distance with All Engines)
全発動機が作動し、通常に離陸する場合の距離のこと
ただしこの時の離陸距離に同じ離陸距離の15%を加えた値を必要滑走長として考えます。
以上がField Limitで定められる4項目です。
基本的に少し前までは離陸性能を紙などで計算していましたが、今は機内搭載のタブレットなどで計算を行うためすべての数値をタブレットが計算し、最も大きい値が必要離陸滑走路長内に収まっているかを確認しています。
まとめ
やっと8個のLIMITのうち2つが終わりましたね。
かなり濃い内容となっていますので、寝る前に一度頭の中で整理してみてください。
コロ助も解説するとなったら、どう表現したらわかりやすいかなど考えられて自分の知識も整理できてとても勉強になって疲れました(笑)
あと二回くらいで解説し終えられたらいいかなと考えています。
もし気になった点などがありましたら、コメントやTwitterからお聞きいただけると幸いです。
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