こんにちは!今回は「事故が起きるメカニズム」について、航空業界で実際に使われている考え方をもとに解説していきます。
結論から言うと、事故は突然起きるものではなく、小さなミスの積み重ねによって発生します。
一つの大きなミスだけで事故が起きることはほとんどなく、複数の小さな見落としや判断ミスが連鎖した結果として、重大な事故に繋がるのです。
1. ハインリッヒの法則(ヒヤリハットの法則)
まず紹介するのが「ハインリッヒの法則」です。
これは別名「ヒヤリハットの法則」とも呼ばれ、
👉 1件の重大事故の背後には、29件の軽微な事故と300件以上のヒヤリとした事象が存在する
という考え方です。

小さなミスを軽視してはいけない理由
例えば、
- 運転中にヒヤッとした
- 作業中にちょっとしたミスをした
- 「今の危なかったな」と感じた
こうした経験は誰にでもあると思います。
これらを「たまたま大丈夫だった」で済ませてしまうと、同じような状況が積み重なり、やがて重大事故に繋がる可能性があります。
つまり、
👉 日常の小さなミスこそが事故の“予兆”である
ということです。
2. チェーンモデル(事象の連鎖)
次に紹介するのが「チェーンモデル」です。
これは、小さなミスが鎖(チェーン)のように連なり、最終的に事故へと発展するという考え方です。
ミスは連鎖する
人は調子や気分によってパフォーマンスが変わります。
- なんとなく集中できない日
- 体調が優れない日
- 気が緩んでいるとき
こうした状態では、普段しないようなミスが起きやすくなります。
そして一つのミスが次のミスを呼び、
👉 「ミスの連鎖」=事故の原因
となっていきます。
対策は“自分の状態を知ること”
チェーンモデルの対策として重要なのは、
- 自分のコンディションを把握する
- 「今日はミスしやすい」と認識する
- いつも以上に注意する
といった“自己認識”です。
これだけでも、ミスの連鎖を断ち切ることができます。
3. スイスチーズモデル
最後に紹介するのが「スイスチーズモデル」です。
これは、事故防止のための複数の防御層(チェック体制)を、穴の空いたチーズに例えたものです。

なぜチーズに例えるのか?
それぞれのチェックや仕組みには「穴(弱点)」があります。
- 人の見落とし
- チェックミス
- コミュニケーション不足
これらが重なると、本来は防げたはずのミスがすり抜けてしまいます。
そして、
👉 複数の穴が一直線に並んだとき、事故が発生する
というのがこのモデルの考え方です。
チームで防ぐことの重要性
航空業界では、
- チェックリストの活用
- ダブルチェック
- 役割分担
などによって、この“穴”をできるだけ小さく、重ならないようにしています。
「信頼はしても信用はするな」という考え方
パイロットの世界では、
👉 「信頼はしても、信用はするな」
という言葉があります。
これは、
- 仲間を尊重しつつ
- 必ず自分でも確認する
という意味です。
完全に任せきりにしてしまうと、ミスを見逃す可能性があるため、お互いにチェックし合うことが重要になります。
まとめ|事故は“防げるもの”
今回紹介した3つの考え方に共通しているのは、
👉 「小さなミスや異変を見逃さないこと」
です。
- ハインリッヒの法則:小さなミスの蓄積
- チェーンモデル:ミスの連鎖
- スイスチーズモデル:防御のすり抜け
どれも、事故は偶然ではなく“必然的に起こるもの”であることを示しています。
最後に|人はミスをする前提で行動する
人間は必ずミスをします。
だからこそ、
- ミスを責めるのではなく
- ミスを防ぐ仕組みを作る
- お互いに補い合う
ことが大切です。
日常生活や仕事においても、「小さな違和感」に気づいたら見逃さないよう意識してみてください。
その積み重ねが、大きな事故を未然に防ぐことにつながります。


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